アプリで騙されたが0円解決~慰謝料解決事例~

 今回は、慰謝料事案における解決事案をご紹介させて頂きます。本件は、騙された上に慰謝料請求を受けるという目も当てられない状況になってしまった相談者の方の事案です。

なお、本事案に限らず私が紹介している解決事案は実際の内容と変更した上でご紹介させて頂いております。

1 ご依頼前の状況

 この方について、初回の相談の際に特になぜ自分がこのような仕打ちを受けないといけないのですかと言われていたのが今でも印象的です。
 実際この方は、交際している方に結婚している事実を知らされず将来を見据えて交際していたにもかかわらず(この点は相手方ともそのようなやり取りがありました)、突然交際している方の妻が就けた弁護士から不貞行為を理由とする損害賠償請求の書面が届いたという状況で弁護士としても交際相手に一言言いたいといった状況でした。
 そのような状況の中、弁護士から書面が来ている中これを無視すると裁判になりかねないということでご依頼頂き、この後相手方と交渉することになりました。

2 当初の状況

 皆様もインターネット記事等で不貞相手に慰謝料する際に、相手方が性交渉を行うに際して婚姻関係の存在を知っているもしくは知らないことに過失があることが必要であると見られたことはあるかと思われます(裏を返させば請求を受けている側が反論するには知らなくかつ知らないことに過失がないことまで主張する必要があります)。もちろん、これ自体は正しいのですが、これを満たすためにどのような内容を主張するのかといったことまで十分に考える必要がございます。
 本件では、相手方代理人に対して、即座にそもそも依頼者と交際相手はいわゆるマッチングサイトで知り合った関係であること、マッチングサイトの規約で登録するに婚姻していないことを要件としていること、交際時にも指輪を付けておらずかつ将来の展望の話をしていたこと(実際にラインのやり取りも残っておりました)などを記載した書面を依頼を受けて2,3日で送付しました。

3 その後の状況

 その後、待てどくらせど連絡は来ず、どうなったのか依頼者と話をしておりました。私の経験上、このような場合(連絡に相当時間がかかる場合です)、弁護士として不足な事態(想定内容と違う場合)が生じたことが多く今回もそうなのかなとは考えておりました。さぞ、こちらの書面をみて驚いただろなと感じ、依頼者様ともそのような話をしながらゆっくり待っておりました(実際に当時の書面は上で挙げたような事実を示す裏付けが十分にあり、相手の立場であればどうするかというのを今でも考えておりますが相当期間が経っておりますが明確な回答は自分の中で見つけられておりません)。
 さすがに長くかかり過ぎだなと感じ、相手方代理人に連絡したところ、もう少しで連絡するから待って欲しいというものでした。その後連絡を確認すると、この件が影響したのか分かりませんが、状況を踏まえてであるが現状こちらへの請求は考えていないとのものでした。
 何とも歯切れの悪い回答ですが、弁護士目線としては、請求を取りやめにすることを明示できないことからこのような言い方をしているのではと分析し、依頼者様にご報告し、ご安心され喜ばれていたのを今でも覚えております。その後私としても個人的に許せなかったので、交際相手に対して請求をすることについてどうするか確認しましたが、許せないがあまり思い出したくないといった思いをお持ちのようでかなり悩まれており時効の範囲ではいつでも対応すると言って本件を終了しました。

4 弁護士中村より本件を振り返って

 同種の事案も似たようなものを対応することが少なくなり、それこそ裁判対応した事案もありましたが、本件のように相応の証拠があれば裁判所は慰謝料請求を認めない傾向にあります。
 この種の事案に限らず、残しておくことにこそ意味のある特別な事情や証拠を除いて早めに少なくとも相手方代理人には意味づけをした上で伝えることが大事であると考えております。今回は特にですが、早めにこういう作業をすることで、相手方代理人が本人に伝えたことでこのような良い結果に繋がったのではと分析しております。弁護士によって色んな考え方がありますが、私としては基本的にこのような考えをもっており、前述の裁判の事案でもこのような手法で裁判官が早い段階でこちらの内容が正しいのではと考えてくれ、相手方に対し、何か他に主張がないか裏付けがないかと確認していたのが印象的です。
 この事案自体、個人的に交際相手の対応に許せないものがあり、そこまで言わなくてもと依頼者様に言われることもありました。私としては、ご依頼者様の気持ちになり、もしくはそれ以上の気持ちで一緒に事件と向き合っていきたいと考えております。
 私自身このような弁護士ですので、一緒に問題を解決したいと思われた方はぜひ一度ご連絡下さい。法的に解決が困難である場合は、面談の際もしくはお電話でその旨正直にお伝えさせて頂き対応も含めて検討しましょう。
 兵庫県にお住まいの方はぜひご来所頂き、遠方にお住いの方も弊所はオンラインで対応しておりますので、ぜひ一度気軽にご相談のご連絡を頂けますと幸いです。

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