不貞慰謝料金額について、皆様はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
一部メディア報道で取り上げられているように1000万円前後をお考えでしょうか。
本稿では、不貞慰謝料の金額について、その算定要素と多くの場合に解決する金額をお伝えさせて頂きます。
このページの目次
不貞慰謝料の算定要素
種々の考慮要素を基に算定することになりますが、主に以下のものが考慮要素となります。
- 請求の対象が配偶者か不貞第三者のいずれか
- 不貞行為による結果
- 婚姻期間の長さ
- 不貞行為の期間
- 不貞行為の回数
- 頻度
- 行為自体の悪質性
- 発覚後の態様
- 報復的行為の有無
が主な要素になります。
各内容について、以下でご説明します。
1.請求の対象
過去の裁判例で不貞行為の一次的責任は、不貞配偶者にあるとされています。
このことからも分かる通り、不貞行為の配偶者に対して、請求を行う場合の方が金額について、一般的に高くなることになります。
もっとも、例外的事情については別途お話しますので、その点についても頭の片隅において頂けますと幸いです。
2.不貞行為の結果
大きな話で言うと離婚に至ったのか、婚姻関係が破綻したのかといったものについて影響が重大であると評価される事情になってきます。
不貞行為は、法律的に言うと不法行為と評価されるものになりますが、この行為類型は行為の結果について多分に考慮されることになります。
不貞行為が夫婦の平穏を害するものである以上、どれほど夫婦の関係性を害したかが重要になり、そのメルクマークが、婚姻関係が破綻したか、もっと進んで離婚に至ったかといったものになります。
3.から7.(不貞行為の内容)について
文字どおり行為の内容といった区分になりますが、実際どの程度悪質であったか(例えば相当の頻度で会い、その接触の度に性交渉を行い、加えてその接触も夫婦の自宅で不貞行為によって妊娠に至ったというような事案が典型的な悪質な事案になります)を踏まえて、分析していくことになります。
さらに、発覚後まだ交際を続けていたり、さらに請求者に対し、何らかの行為を行うといった場合は、金額の増額事由になりえます(8.)。
他方で、請求者の方から、報復的行為(周囲に伝える、会社への連絡等)を行うなどといった事情があれば、減額事由になりえるといったのが現状の実務の趨勢といったところです。
不貞慰謝料の相場と言われる金額について
あくまで、ボリュームゾーンとしては、100万円から300万円前後といった状況です。
他方でこのボリュームゾーンは、裁判で争った時を想定したものにすぎませんので、裁判を行いたくない事情の有無及びボリュームゾーンから外れる事情が上記考慮要素に存在する場合は、安易に上記金額から請求を始めるべきでないと私は考えています。
弊所は無料相談を実施しております~お気軽にお問い合わせください~
慰謝料の相場としての100万円から300万円は、過去の裁判例及び過去の裁判官の判断に過ぎません。さらに特殊な事情ではこれを超えることもあります。
しっかりと考慮して検討した上で決めて頂くのが弊所の理念ですので、一度ご相談に来ていただき一緒に請求する金額を考えさせて頂ければと考えております。
最初の請求する金額によっては、最終的に解決する金額も変わってきますの(低すぎると言わずもがなですが高過ぎる場合も交渉がとん挫しかねません)、ぜひ一度弊所にご相談ください。