離婚調停・審判の進行~実際の進行を踏まえて~

 みなさま、特に夫婦関係に関する調停(離婚、婚姻費用、養育費等)とはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

 協議についてはお話合い、裁判についてはテレビドラマ等で相応にどのようなものかはイメージできているでしょうか。

 本コラムでは、離婚における調停・審判についてどのように進行するか概観していきたいと思います。遺産分割における調停・審判については別の機会にお話できればと考えております。

1 離婚調停における進行

 まず、調停は裁判所で実施し、調停委員(男女1名ずつで50代~60代程度の方が多いと聞いています)を間に入れて行う話合いです。具体的方法としては、一方が30分程度話を行って、他方が30分程度話を行うのを2セット程度行うことが一般的な進行です。

 その中であまり他の弁護士の進行を見たわけではありませんが、私は一つずつ合意するものを固めていくことが多いです。

 具体的には、

・離婚するのかどうか

・親権・監護権者はどうするのか

・養育費についての調整(双方の収入、終期について、加算部分の存否)、財産分与についての調整(基準日をどうするのか、対象財産は足りているのか、評価について争いがないのか)

・年金分割の有無

といったように一つずつそれについて固めていくこと重要であると考えております。個人的にこのような進行をしないと一向に進まないということが多いです。離婚調停と同時に行われることが多い婚姻費用についても、判断基準となる部分を一つずつ決めていくことが重要であると個人的には考えております。

 このように一個ずつ進めることで合意に近づけることができるかが私が代理人として活動する際の進行です。これらが合意できない限り、調停での合意はできないということが多いです。もちろん、2,3点の要素をまとめて合意することも少なくありません。

 調停での合意のメリットとしては、必ずしも法律論を前提に合意が進むわけでもなく、柔軟な解決が可能です。

 他方でデメリットとしては、双方の合意が図れないと解決しないので、この話し合いが延々に続くことで執着が見えないこともあります。その点についての見極めが必要ではと考えております。
 見極めとして、これ以上進行が望めないとなると早期の不成立による訴訟提起及び審判移行も視野に入れることになります。

2 審判における進行

 まず、離婚については、原則審判がなされることはありません。ただ、実務上出頭での合意が想定されていることから(一般に身分関係については本人の意向をより反映される方が良いとされており、それを担保するためと言われております)、遠方の場合でオンライン対応している場合については、調停に代わる審判が利用されることが多いです。この手続については。2週間異義が出なければ、成立という形に使われることになります。

3 弁護士中村より

 今回は、離婚調停について概観してきました。

 調停の流れとして、お話したのは基本的な流れに過ぎず、ご依頼になると本件の具体的事項に即して想定される流れのご説明を行います。

 明確な方針の下、皆様に納得頂く調停進行を考えておりますので、調停でお悩みの方等はお気軽にお問合せ下さい。

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