婚姻費用分担請求 |神戸で離婚・不貞の慰謝料請求の弁護士相談【中村法律事務所】

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婚姻費用分担請求

 婚姻費用といった言葉自体あまりみなさまにとって聞きなれないのではないでしょうか。以下では、①婚姻費用とは②どのように算定されるのか③実際の具体的審理④審理の要注意事項といった形でみていきたいと思います。

①婚姻費用とは

 婚姻費用は、民法760条を根拠とするもので夫婦であることを根拠に他方配偶者に対して、自己と同程度の生活をさせるための費用を言います。 
以上が前提ですので、婚姻関係にさえあれば請求できることになります。

②どのように算定されるのか

 原則として、双方の収入を前提に、裁判所が提示している算定表(家庭裁判所が公表しているもので、統計的な生活費を前提に算定されています)を前提に判断することになります。

 一般に子の監護をしている方(子がいなければ収入が少ない方)を「権利者」、子の監護をしていない方を義務者としてみることになります。算定表の前提となる算定式というものもありますが(算定表が作成される際に形成された算定式です)、家庭裁判所は、算定表を前提にして、当該事案の具体的事案を前提に3万円程度の幅を上下させる運用を取っており、詳細な計算から数千円程度の結果を出す運用が取られているわけではありません。

③具体的審理

婚姻費用分担協議段階

弁護士が行う場合といった前提ですが、多くの場合、まず権利者側が婚姻費用の算定を行い、義務者側に請求を行います。そこで合意ができればいいのですが、これが上手くいかなければ、次の段階の調停になります。
現在の実務慣行上、基本的に婚姻費用は請求した時点を始期とすることになっておりますのでできるだけ早く記録として残る形での請求が必要です。その意味で早期に弁護士に相談されることをお勧めします。

婚姻費用分担調停段階

 調停は、家庭裁判所で行われる法的手続です。法的手続というとかなり敷居を高く考えてしまいがちですが、実態は裁判所での話し合いに過ぎません。多くの方が、ご依頼前に「裁判所に行くんですか」といったように不安な様子で話されますが、それほど形式ばったものではないですし、柔軟な話し合いができることを調停のメリットと家庭裁判所も述べておりますので、その前提でご確認頂けますと幸いです。

 ただ、調停の中で話す方向性について、裁判所がある程度流れを調整してきますので、それを踏まえることになります。基本的には上記で述べたどのように算定されるのかといった項目がメインになってきます。

婚姻費用分担審判段階

 上記調停でお話が整理できない場合、審判といった形で裁判官が判断することになります。

 こうなるとある程度法律上の要件を満たしているかといった点を中心に見てくること主張についてもそれに沿わないとなかなか考慮してもらえず、調停と比較して相当形式的なものになってきます。

 婚姻費用については、基本的にはこの審判で判断されることになるのですが、審判で決まった場合は、上級審(高等裁判所であったり最高裁判所)で判断を受けることができます。

婚姻費用の審理での要注意事項

給与所得者と自営業者の違い

 婚姻費用の算定においては、この両者は明確に異なってきます。給与所得者は、いわゆる総所得をベースの議論になりますが、自営業者は、所得ベースの議論になります。その上で、算出方法が異なること、自営業者については、計算の算出方法がかなり異なりますので(婚姻費用算定の上で考慮する部分、しない部分が存在します)、一度弁護士に確認されることをお勧めします。

相手方が不貞行為等を行った場合の扱い

 婚姻費用については、相手方が不貞行為を行った等の有責配偶者である際、不利な扱いを多くの点で行っているのがこの点の過去の裁判所の判断で様々なものがあります。例えば、権利者が有責配偶者である場合、その者の生活費相当を分担の対象にしないであったり、住宅ローンを払っている者が有責配偶者である際にその点を考慮しないであったりと様々な点で通常と異なる扱いをしております。この点について知っているか知らないか及びそれをしっかり主張するかで結果にかなりの差が生まれますのでしっかりと弁護士に相談した上で進められることを強くお勧めします。

相手方が働いていない場合(稼働能力)に関する取扱い

 少なくとも家庭裁判所は、相手方の現実の就労状況のみをみて直ちに収入をみるといったことはしません。なぜならそのように判断すると当事者の衡平の観点から妥当でない結論が導かれる可能性があるからです。端的にいうと働けない理由がないにも関わらず働かないといった事情を婚姻費用で一定程度考慮する為です。具体的には、相手方がどの程度稼働できるのかといったことを具体的に算出することになりますので、何を根拠にどの程度働けると考えるのかといった点までしておく必要があります。

まとめ

 見てきたように婚姻費用の審理は、柔軟な話し合いから始まりますが、折り合いがつかないと裁判所の判断になります。また、算定する上で典型的な要注意事項を挙げましたが他にも請求されて以降の相手方負担分の支出であったり、統計を超える費用支出等、算定表だけでは整理しきれない点は少なくありません。

 弊所にご相談頂ければ、本件では今回の婚姻費用で何を主張すべきかをしっかりとご説明しますので、それを確認するためにご相談頂くことも良いと思っております。お気軽にお問い合わせください。

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