離婚時の車はどう分ける?ローン・名義変更・特有財産の計算まで弁護士が3ステップで解説 |神戸で離婚・不貞の慰謝料請求の弁護士相談【中村法律事務所】

離婚時の車はどう分ける?ローン・名義変更・特有財産の計算まで弁護士が3ステップで解説

この記事の結論(1分で要約)
  • 対象: 離婚時の車の処分やローン返済、名義変更、評価額の査定などでお悩みの**個人(夫婦)**様
  • 結論: 名義にかかわらず婚姻中の車は折半が原則。ローン残高と査定額を利用して行う。ただし現実は他の財産と調整が大半。
  • 理由: 車は離婚時点の市場評価額を基準に整理し、親の援助や借入状況に応じて適正な「代償金」や分与割合を試算する必要があるため
  • 解決策: 以下の「3つのステップ」を実行すれば、不当な損をせず円滑に解決できます。
    • ステップ1: 別居時点の車の適正な「ローン残高」と解決時点の「評価額(査定額)」とを確認する
    • ステップ2: 特有財産(親の援助や結婚前の資金)の割合を差し引いて分与額を試算する
    • ステップ3: 初回相談無料で不安を解消し、離婚協議書や公正証書へ名義変更・代償金の条項を明記する

目次

離婚時に車は財産分与の対象になる?判断基準と3つの基本の分け方

Q. 結婚中に買った車は、配偶者名義でも財産分与の対象になりますか?

A. はい。名義がどちらであっても、婚姻期間中に夫婦の家計から購入した車であれば原則として「共有財産」となり、2分の1ずつ分け合う対象になります。

離婚時の財産分与において、車は価値の評価や名義手続きが複雑になりやすい財産の一つです。まずは、ご自身の車が法律上どのように扱われるのか、基本的な基準と整理方法を確認していきましょう。

中村法律事務所の解決事例でも、「車の名義が夫になっているから自分には一切権利がないと思い込んでいた」というご相談が多く寄せられます。しかし、名義の記載にとらわれる必要はありません。

【車の共有財産判定チャート】

 購入した時期はいつですか?
  ├─ 結婚前 ───> 原則「特有財産」(分与対象外)
  └─ 婚姻期間中 ─> 購入資金の出所は?
      ├─ 夫婦の預貯金・ローン ──> 「共有財産」(2分の1ずつ分割)
      └─ 親の援助や個人の特有財産 ─> 「混合財産」(出資割合に応じて計算)

婚姻中に購入した車は名義にかかわらず「共有財産」

車検証に記載されている所有者名義が夫(または妻)の単独名義になっていても、婚姻期間中に夫婦の協力や家計の預貯金で購入したものであれば、法律上「共有財産」とみなされます。

たとえ一方が専業主婦(主夫)で直接の金銭収入がなかったとしても、家事労働や育児によって家計を支えていたと評価されるため、財産分与の割合は原則として2分の1(50%ずつ)となります。

弁護士の視点
名義が自分のものでなくても諦める必要はありません。「夫婦で協力して形成した財産か」が判断基準です。名義人が独断で処分しようとしても、法的な権利を主張できます。
名義は対外的なものにすぎず夫婦対内的には関係がありません。

財産分与の対象にならない「特有財産」にあたるケース

一方で、婚姻中に使用していた車であっても、以下のようなケースでは財産分与の対象から除外される「特有財産」となります。
  • 結婚前から所有していた車: 結婚前に自分自身の預貯金で購入し、所有していた場合
  • 相続や贈与で取得した車: 親から無償で譲り受けた場合や、相続した遺産で購入した場合
  • 自分個人の特有財産のみで購入した車: 結婚前に貯めた預貯金だけで結婚後に購入した場合(ただし、この場合は立証ハードルが相当あるイメージです)
ただし、結婚前に購入した車であっても、結婚後のローンの返済を夫婦の家計から支出していた場合は、その返済分について共有財産としての貢献度が認められ、一部が分与対象(混合財産)となる点に注意が必要です。

車を財産分与する3つの基本パターン(売却・手元に残す・相殺)

夫婦の車が共有財産であると確認できたら、次はどのように分けるかを検討します。車は現金のように簡単に半分に割ることができないため、実務上は以下の3つの方法(換価分割・代償分割・他財産相殺)から選択します。

分割方法 概要 メリット デメリット
換価分割

 

(売却して分配)
車を売却して現金化し、売却益を2分の1ずつ分ける方法 現金で明確に割れるため、最も揉めにくい 通勤や子どもの送迎等で車が必要な場合は使えない
代償分割

 

(片方が乗り続ける)
一方が車を引き取り、相手方に評価額の半額(代償金)を現金で払う方法 車をそのまま手元に残して生活を続けられる 代償金を支払うための手元現金(自己資金)が必要
他財産との相殺

 

(現物調整)
車を引き取る代わりに、預貯金や他の財産の取得額を少なくして調整する方法

⇒財産分与が車だけを取り出してやることはほとんどないので事実上この方法で進めることが多いです

代償金を支払う現金の準備が不要 車以外に十分な預貯金等の共有財産が存在する必要がある
どのような分割方法を選ぶべきかは、現在の預貯金額や生活環境によって異なります。車の基本原則を理解したところで、次は実際の価値である「評価額」をどう決めるかというステップに進みましょう。

車の評価額(査定額)で揉めないためのステップ:査定時期と適正価格の算出法

Q. 車の評価額(査定額)は、いつの時点の価格を使えばいいですか?

A. 財産分与における評価額の基準時期は、原則として「離婚時の」の中古車買取相場・査定額を採用します。

車の財産分与を進める際、最も意見が対立しやすいのが「車がいくらの価値を持つのか」という評価額の算定です。一方が高額な査定を主張し、他方が低い査定を主張すると話し合いが進まなくなります。

双方納得の上で適正な評価額を算出するためには、評価の基準時期と査定ルールを正しく把握しておくことが重要です。

評価額の基準時期は「原則として離婚時」

裁判実務において、財産分与の対象となる財産を確定・評価する基準時期は「離婚時」とされています。

例えば、別居してから離婚成立までに1年がかかったとします。その間に配偶者が車に乗り続けて走行距離が伸び、現在の価値が下がっていたとした場合、「現在時点」の中古車買取価格をベースに計算します。

【評価基準時期の考え方】

 同居期間中 ──────> 別居開始(★この時点の権利関係を前提に対象の車を確定) ──────> 離婚成立
             ※価値は離婚時の価格です。
弁護士の視点
この部分については、相当程度離婚分野を取り扱ってないと誤った主張をすることが少なくありません。財産対象の確定が別居時、評価はR既婚時とご理解ください。

相手と主張が食い違わないための「複数査定」と算出ルール

買取業者によって車の査定額には数十万円単位の開きが出ることがあります。「自分に都合の良い低い査定書」を相手が出してきた場合、そのまま鵜呑みにする必要はありません。

揉め事を防ぐためには、あらかじめ双方が納得する「3ステップの査定ルール」に沿って評価額を確定させましょう。

査定額を確定させる3ステップ
  1. 複数社(2〜3社)の査定を取得する: 大手中古車買取店や査定サイトを利用し、同一条件で複数の見積書を集める
  2. イエローブックや中間値を基準にする: 極端に高い・低い査定を除外し、複数社の「平均値」または「中間値」を採用する
  3. 査定書を証拠資料として保管する: 買取査定書や相場表(イエローブック等)を書面・データで残し、合意の根拠とする
適正な評価額が分かったら、次に確認すべきは「自動車ローンの残高がいくらあるか」という最もトラブルになりやすいポイントです。

ローンが残っている車(アンダー・オーバーローン)の対応と名義変更の壁

Q. 車のローンがまだ残っている場合、どのように財産分与すればいいですか?

A. 車の査定額とローン残高のどちらが高いか(アンダーローンかオーバーローンか)によって、財産分与の計算方法や対応が大きく異なります。

自動車ローンが残っている車は、単に「査定額を折半する」だけでは解決できません。債務(借金)と資産のバランスを見て適切に処理する必要があります。

まずは、車検証とローンの返済予定表を確認し、どちらのパターンに当てはまるかチェックしてください。

【ローン残高と査定額による分岐チャート】

  査定額 と ローン残額 を比較
   ├─ 査定額 > ローン残高 【アンダーローン】
   │  └─ 差額(プラスの財産)を2分の1で分け合う
   │
   └─ 査定額 < ローン残高 【オーバーローン】
      └─ 他財産で負債分を調整

アンダーローン(査定額 > ローン残高)の場合の明確な清算手順

査定額がローンの残高を上回っている状態をアンダーローンと呼びます。この場合、車には「プラスの資産価値」が存在します。

計算式

実質的な資産価値= 車の査定額 – ローン残高

清算例(査定額200万円・ローン残高80万円の場合)

  • 実質資産価値: 200万円- 80万円= 120万円
  • 分与額(1人あたり): 120万円×1/2 = 60万円
この場合、車を売却してローンを一括返済した残りの120万円を60万円ずつ分ける(換価分割)か、車を引き取る側がローンをそのまま引き継ぎつつ相手に60万円の代償金を支払う(代償分割)ことで清算が完了します。

オーバーローン(査定額 < ローン残高)の計算と財産分与上の扱い

査定額よりもローンの残債が多い状態をオーバーローンと呼びます。例えば、査定額が100万円に対しローンが180万円残っているようなケースです。

オーバーローンの基本原則

  • 全体の財産分与での調整: 他に預貯金などのプラスの共有財産がある場合、オーバーローンのマイナス分(例:80万円を全体の資産から控除して総額を調整するのが実務上の一般的な対応です。

所有権留保(ディーラー名義)で名義変更を拒否された場合の解決策

ローン返済中の車で特に問題となるのが名義変更(所有権の移転)です。

多くの自動車ローンでは、ローンが完済されるまで車検証の所有者名義がディーラーやローン会社に設定される「所有権留保」がついています。そのため、ローンが残ったまま配偶者名義へ変更しようとしても、金融機関から拒否されてしまいます。

名義変更拒否への実務的なリカバリー策
  1. 新マイカーローンへの借り換え: 車を引き取る側が自分名義で新たにマイカーローンを組み直し、相手のローンを一括清算して名義変更する
  2. 預貯金等でローンを一括繰上返済する: 共有財産の預貯金を使ってローンを完済し、所有権留保を解除してから名義変更する
  3. 公正証書に「名義変更不可の特約」を記載する: どうしても借り換えができない場合、ローン完済まで旧名義のまま使用を認め、完済後に速やかに名義変更する旨を法的文書(公正証書)に明記する
特にオーバーローンの場合や親の金銭援助が絡む場合は、計算や契約上のリスクが一気に跳ね上がります。ここからその具体的な解決方法を見ていきましょう。

【事例計算付】親の資金援助や買い替えが含まれる「車の特有財産割合」の計算方法

Q. 親から資金援助を受けて買った車も、離婚時には半分に折半しなければなりませんか?

A. いいえ。親からの援助金や独身時代の預金で購入した部分は「特有財産」となるため、その貢献割合(特有財産割合)を差し引いた金額のみを折半します。

実務で非常によく見られるのが、「結婚後に買った車だが、頭金100万円は妻の親が出してくれた」「結婚前に乗っていた自分名義の車の下取り代金を充てた」という「共有財産と特有財産が混ざった(混合財産)」のケースです。

これを安易に「婚姻中に買ったから半分ね」と折半してしまうと、資金を出した側が大きく損をすることになります。

特有財産(親の援助・結婚前の資金)が含まれる車の計算式

親の援助や結婚前の資金が含まれる車を適正に分けるには、購入時の「特有財産の出資割合」を算出し、それを現在の査定額に掛け合わせる割合計算モデルを使用します。

特有財産額= 現在の査定額×購入時の特有財産投入額÷購入総額

分与対象額(共有財産)=現在の査定額- 特有財産額
この試算によって算出された「分与対象額」のみを、夫婦で2分の1ずつ分配します。

【具体例シミュレーション】頭金100万円を妻の親が出して300万円の車を購入した場合

実際に中村法律事務所でご相談を受けたケースをベースに、具体的シミュレーションで計算手順を確認してみましょう。

【前提条件】

  • 車の購入総額: 300万円
  • 内訳: 妻の親からの援助金100万円(特有財産) + 夫婦の預貯金200万円(共有財産)
  • 現在の車の査定額(離婚時): 150万円(ローンは完済済み)なお、ローンが残っている場合はかなり複雑な計算になり、弁護士でも間違えることも多いのでそのような場合はご相談でご確認ください。
【混合財産の計算イメージ】

 購入時(300万円)  ──> 親の援助100万(1/3) + 夫婦の家計200万(2/3)
 査定時(150万円)  ──> 特有財産 50万円   + 共有財産 100万円
                      (妻取得分)      (夫50万 / 妻50万で折半)

 

Step1: 特有財産割合の算出

購入総額300万円に対する親の援助100万円の割合は、100万円÷300万円= 約33.3%です。

Step2: 現在の査定額から特有財産分を抽出

現在の査定額150万円に特有財産割合を掛けます。
特有財産額(妻分)= 150万円×33.3%=約 50万円

Step3: 共有財産分の分割と最終取得額の計算

査定額150万円から特有財産50万円を引いた100万円が共有財産(分与対象)となります。これを夫婦で50万円ずつ分け合います。
  • 妻の最終取得額: 特有財産 50万円 + 共有財産分 50万円 = 100万円
  • 夫の最終取得額: 共有財産分 = 50万円
もし妻がそのまま車(査定150万円相当)を引き取る場合は、夫に対して50万円の代償金を支払うことで対等な清算となります。
著者(弁護士)の視点
親からの援助であることの立証(通帳の履歴や送金記録等)がないと、相手から共有財産だと主張される恐れがあります。当事務所では過去の金融機関口座の履歴等から証拠化するサポートも行っています。
個人的にはいい戦術とは思いませんが、立証できないことをいいことに否認するといった対応をとるような当事者も少なくありません。その対策として、何らかを示す立証が重要になります。
このように、条件が複雑になればなるほど自分たちだけで正確な金額を算出して相手を納得させるのは難しくなります。

自分だけで進めるのはリスク?複雑な車の財産分与をプロに相談すべき判断基準

Q. 車の財産分与について、どのような状況になったら弁護士に相談すべきですか?

A. ローン残高がある場合、特有財産の計算で揉めている場合、または相手が名義変更や売却に同意しない場合は、早めに弁護士へご相談いただくことを強く推奨します。
車の財産分与は、当事者同士の話し合いだけで進めようとすると、感情的な対立や知識不足から不利な条件で合意してしまうリスクが潜んでいます。ご自身の状況が「自力で解決できる範囲」にあるか、それとも「プロに頼むべきか」を以下のチェックリストで判定してみましょう。
【自己診断チェックリスト】

□ 自動車ローンが残っており、所有権留保(ディーラー名義)がついている
□ 親からの資金援助や、結婚前の下取り車が購入費用に含まれている
□ 相手が提示してきた査定額が不当に低い(または高すぎる)と感じる
□ 相手が名義変更の手続きや話し合いに一切協力してくれない
□ 離婚後、自分が乗り続けるための代償金を支払う手元現金がない

※1つでもチェックがついた場合は、弁護士へのご相談をおすすめします。

自力交渉で失敗しやすい「名義トラブル」と「不当な折半要求」

法律の専門知識がないまま当事者間で協議を進めると、以下のようなトラブルに発展する危険性があります。
  • 不当な主張に押し切られる: 相手から「ローンは全部お前が払え、でも車は俺が乗る」「親の援助なんて関係なく半分に分けろ」など法的に筋の通らない要求をされ、拒否できずに呑んでしまう
  • 名義変更されずに税金・ローン請求が届く: 離婚後に車を相手に渡したものの、名義変更手続きが放置され、自動車税の請求や事故の賠償責任が自分に届き続ける
  • 話し合いが平行線になり離婚手続き全体がストップする: 車の評価額や処分方法をめぐって感情的になり、親権や養育費など他の重要な条件協議まで停滞してしまう

中村法律事務所が選ばれる理由:弁護士が直接対応し「明確な方針」を提示

中村法律事務所では、法律トラブルでお悩みの皆様が安心して一歩を踏み出せるよう、充実したサポート体制を整えています。
  • 弁護士(中村誠志)による直接対応: 離婚相談500件以上の豊富な実績を持つ弁護士が、初回相談から直接お話を伺います(事務員任せにいたしません)。
  • 初回面談時に「説明ノート」をお渡し: 複雑なローンの権利関係や特有財産の相殺計算について、その場で青写真(明確な方針と見通し)を記載した説明ノートをお渡しします。
  • 複数の選択肢を提示: 単に法律を当てはめるだけでなく、お客様の生活状況(子どもの送迎や通勤での必要性など)に合わせた最適な選択肢をご提案します。
【中村法律事務所の相談サポート】

 ご相談受付 ──> 弁護士 中村誠志が直接面談 ──> 『説明ノート』をお渡し
 (夜間・Web可)  (豊富な離婚解決実績)       (解決への明確な方針を提示)
プロに頼むべきかどうかの基準がわかったところで、トラブルを予防し円滑に手続きを進めるための実務的な注意点も確認しておきましょう。

【トラブル防止】別居中の維持費負担・任意保険の等級引き継ぎと勝手な売却への防衛策

Q. 別居してから離婚が成立するまでの間、車のローンや税金は誰が払うべきですか?

A. 原則として「その車を現在使っている側」が負担します。相手名義の費用を自分が支払っている場合は、婚姻費用(生活費)の清算時に考慮されます。

離婚前の別居期間中における車の「維持費(ローン・税金・保険料)」の支払いや、離婚に伴う「自動車保険の等級引き継ぎ」も見落としがちなポイントです。

別居中の自動車ローン・税金・任意保険料は誰が払う?(婚姻費用との調整)

別居期間中に生じる車の維持費は、「その車を所有・占有して利用している者」が負担するのが原則です。

費用項目 基本負担ルール 婚姻費用(生活費)との関係・実務処理
自動車ローン 車を利用している側が負担 相手名義のローンを自分が立て替えて払っている場合、相手に請求する婚姻費用から加算・調整が可能
自動車税 車を利用している側が負担 車検証上の名義人に納付書が届くため、利用者が立替分を支払う合意を作成しておく
任意保険料 車を利用している側が負担 万一の事故に備え、別居中も途切れないよう利用者が継続して支払う

離婚後の自動車保険(任意保険)等級引き継ぎと注意点

自動車保険(任意保険)の「ノンフリート等級(割引等級)」は、条件を満たせば同居の配偶者へ引き継ぐことが可能である場合があります。高い等級(例:20等級)を引き継ぐことができれば、離婚後の保険料を大幅に安く抑えられます。
この点についての詳細は、保険会社への確認が必要です。
等級引き継ぎの絶対ルール
  • 手続きのタイミング: **「離婚成立前(法的夫婦であるうち)」**に名義変更手続きを行う必要があります。
  • 落とし穴: 離婚届を提出した後に手続きを行おうとしても、法律上の「配偶者」ではなくなっているため、高い等級を引き継ぐことができなくなります。必ず離婚前に保険会社へ連絡しましょう。

相手名義の車を勝手に売却・譲渡されないための3つの事前対策

「話し合いの途中で配偶者が勝手に車を売却して現金に換えてしまうのではないか」という不安をお持ちの方も少なくありません。勝手な処分を防ぐため、以下の事前保全対策を講じましょう。
勝手な売却を防ぐ3つの保全対策
  1. 車検証とスペアキーを確保する: 車の売却手続きには車検証の原本が必要となるため、手元で適切に管理する
  2. 買取業者へ通知書を送付する: 夫婦間で財産分与の協議中(紛争中)である旨を書面で事前に買取店へ伝えておく
  3. 協議書・公正証書へ即時記載する: 離婚協議書に「協議中の無断譲渡・売却・抵当権設定を禁止する」旨の条項を入れる
取り決めた内容は、口約束で終わらせず必ず法的効力のある文書に残すことが重要です。
もっとも上記の方法は、事実上のものにすぎません。
本気で止めるのは保全処分が必要ですが、果たして車の対応でそこまで必要かは慎重に検討する必要があります。

離婚協議書・公正証書へ記載すべき車に関する条項と解決までの流れ

Q. 離婚時に車の取り決めをしたら、どのような文書に残せばいいですか?

A. 「代償金の支払期日」「名義変更の履行期限」「ローン完済までの負担者」などを明記した「離婚協議書」を作成し、可能であれば「公正証書」にしておくことをおすすめします。

取り決めた内容を口約束だけで済ませてしまうと、離婚後に「代償金が振り込まれない」「名義変更に応じてくれない」といったトラブルが再発します。法的効力を持つ文書でしっかり口を封じることが不可欠です。

後日のトラブルを防ぐ「公正証書」に入れておくべき必須条項

離婚協議書を作成する際は、公証役場で「公正証書」にしておくことで、万一代償金が支払われなかった場合に裁判を経ずに相手の給与や預貯金を差し押さえる(強制執行)ことが可能になります。

車に関して公正証書へ記載すべきサンプル条項

(車に関する条項例)
  1. 乙(夫)は、甲(妻)に対し、両者の共有財産である自動車(車種:〇〇、登録番号:兵庫 〇〇 さ 〇〇〇〇)の財産分与による代償金として、金60万円の支払義務があることを認め、これを令和〇年〇月〇日までに甲の指定する銀行口座に振り込んで支払う。
  2. 乙は、甲に対し、上記自動車の所有者名義を甲に変更する手続きについて、令和〇年〇月〇日までに協力しなければならない。
  3. 乙は、上記自動車にかかる金融機関のローン残債務について、自己の責任と負担において完済するものとし、甲に一切の迷惑をかけない。

中村法律事務所へのご相談から解決・名義変更完了までのSTEP

中村法律事務所にご相談いただいてから、車の財産分与を含めた離婚問題が解決するまでの流れは以下の通りです。

 

相談から解決・名義変更完了までの必須手順を時系列で明示

無料相談の予約(Teams等オンラインも可)"夜間相談や事前準備のご案内"
    お電話またはWeb問い合わせフォームからご予約ください。当事務所(神戸)での面談のほか、Teams等を用いたオンライン相談にも対応しております。
 
弁護士 中村誠志による直接面談・方針提示"『説明ノート』のお渡し"
    お持ちいただいた車検証やローン返済予定表、査定書をもとに、適正な分与額や名義変更の青写真を試算。『説明ノート』として明確な方針をお渡しします。

 相手方との交渉・財産分与額の確定"代理人として直接交渉"
    弁護士がお客様の代理人となり、相手方や相手方弁護士と直接交渉を行います。不当な査定や折半要求を排し、妥当な代償金額を確定させます。

 離婚協議書・公正証書の作成"将来の不払いリスクを遮断"
    合意した取り決め内容を文章化し、公証役場で公正証書を作成します。名義変更手続きの期日や強制執行認諾条項を盛り込みます。

 代償金の授受・名義変更手続きの完了"完全な解決へ"
    代償金の着金確認および、司法書士や行政書士等の専門ネットワークと連携して自動車の名義変更(所有権移転)をスムーズに完了させます。

 

後々のトラブルを防ぎ、安心した新しいスタートを切るために、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 離婚時に車は必ず財産分与の対象になりますか?

A. 婚姻期間中に購入した車であれば、特有財産が原資であると立証できない限り、原則財産分与の対象になります。
名義が夫(または妻)の単独名義になっていても関係ありません。ただし、結婚前に購入した車や、親から無償で譲り受けた(相続・贈与)車は「特有財産」となるため対象外です。

Q2. 車のローンが残っている(オーバーローン)場合、どう分けますか?

A. 査定額よりローン残高が多い場合、車単体としてはプラスの価値がないため財産分与の対象外となります。
ただし、他に預貯金などのプラスの共有財産がある場合は、オーバーローンのマイナス分を全体の共有財産総額から控除して調整するのが実務上の対応です。

Q3. 車を売らずに自分が乗り続ける場合、配偶者にはいくら支払えばいいですか?

A. 「(車の査定額 - ローン残高)÷ 2」で算出した金額(代償金)を現金で支払うのが原則です。
例えば、査定額150万円(ローンなし)の車を自分が引き取る場合、相手に75万円の代償金を支払います。現金がない場合は、他の預貯金の受け取り分を減らすなどの相殺調整も可能です。

Q4. 車の名義が相手になっている場合、勝手に売却される心配はありますか?

A. 相手名義の場合、単独で買取業者に売却されてしまうリスクがあります。
防衛策として、車検証原本や鍵を自分で保管する、買取店へ協議中である旨を通知する、または弁護士を通じて早急に協議書・公正証書を取り交わすなどの対策が必要です。
なお、何が何でも止めたい場合は弁護士へ相談して保全処分を検討してください。

Q5. 親に頭金を出してもらった車も財産分与で折半になりますか?

A. 折半にする必要はありません。親からの援助部分は「特有財産」として差し引いて計算します。
購入総額に対する親の援助割合を現在の査定額に掛け合わせ、その分を控除した残りの共有財産額のみを2分の1ずつ分配します。

Q6. 相手と話がまとまらない場合、弁護士に相談したほうがいいですか?

A. はい。特にローン残高がある場合や、相手が不当な要求をしてくる場合は早めの相談をお勧めします。
弁護士が入ることで、適正な評価額の算出、ローンの名義変更スキームの提示、公正証書の作成までスムーズに行うことができ、不当な損を防ぐことができます。
この記事の監修者

代表弁護士 中村 誠志弁護士 (兵庫県弁護士会所属)

NAKAMURA SEIJI

離婚問題は、人生の大きな決断を伴うため、ご不安や戸惑いを抱える方が多くいらっしゃいます。私はそのような方に、「これからどう進むのが最善か」を、できるだけわかりやすくお伝えすることを大切にしています。

大切にしている3つの方針

● 誠実なアドバイス
無理にご依頼を勧めることはありません。法律的にご自身で進められる場合は、率直にお伝えします。

● 早期解決へのこだわり
「別居何年」などの一般的なイメージにとらわれず、実務と裁判例に基づき、できるだけ早く負担を減らせる道筋をご提案します。

● 一歩踏み込んだ対応
複雑な養育費や離婚条件の交渉など、難しい案件でも丁寧に向き合い、ご負担を軽くできるよう努めています。


離婚についてお悩みの方は、どうかお一人で抱え込まれず、まずはお気軽にご相談ください。
新しい生活へ踏み出すためのお手伝いができれば幸いです。

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