事実婚の財産分与で不動産はどう分ける?手順と注意点 |神戸で離婚・不貞の慰謝料請求の弁護士相談【中村法律事務所】

事実婚の財産分与で不動産はどう分ける?手順と注意点

この記事の結論(1分で要約)
  • 対象: 事実婚(内縁関係)の解消やパートナーとの死別に直面し、不動産や財産の分け方に悩んでいる個人様
  • 結論: 事実婚でも共同形成した不動産は財産分与が可能
  • 理由: 法的に「婚姻に準ずる関係」とみなされ、名義を問わず共有財産となるため(離婚相談500件超の知見より)
  • 解決策: 以下の「5つのステップ」を実行すれば不利益なく解決できます。
    • 法律相談の場合: 初回相談無料で不安を解消、現状分析や見通しの確認も可能

事実婚(内縁関係)を解消する際、「法律婚ではないから家や土地などの不動産は分けられないのでは」「住宅ローンが残っている家はどう清算すべきか」とお悩みではありませんか?

事実婚であっても、共同生活中に築いた不動産は財産分与の対象となります。しかし、名義やローンの清算、相手方の事実婚拒絶、万が一の死別リスクなど、専門知識がなければ大きな不利益を被るおそれがあります。

本記事では、離婚相談500件以上の実績を持つ中村法律事務所の弁護士が、不動産が絡む事実婚の財産分与手順やリスク回避法を分かりやすく解説します。

 

目次

事実婚(内縁)でも不動産や財産の「財産分与」は認められるのか?

戸籍上の届出をしていない事実婚(内縁関係)であっても、法律婚とほぼ同様に「財産分与請求権」が法的に認められています。

判例上、事実婚は「婚姻に準ずる関係」と扱われ、同居中に夫婦が共同で築いた財産(家・土地・預貯金など)は、名義がどちらにあるかを問わず「共有財産」として清算の対象になるためです。

まずは、法律婚との違いを押さえつつ、どのような不動産や財産が分与対象になるのか、その全体像から整理していきましょう。

法律婚と同等に扱われる理由と「共有財産」の考え方

最高裁判所の判例において、内縁関係(事実婚)は「婚姻に準ずる関係」として保護されています。公序良俗に反しない限り、法律婚における財産分与の規定(民法768条など)が準用されるのが通説および実務の確立した立場です。

同居中に夫婦で形成・維持した財産であれば、登記上の名義人が夫または妻の一方になっていたとしても「実質的共有財産」と推定されます。財産分与の割合は、特別な貢献度の違いがない限り「原則2分の1(50%ずつ)」です。

項目 法律婚 事実婚(内縁関係)
財産分与請求権 認められる 認められる(生前の解消時)
共有財産の分与割合 原則2分の1 原則2分の1
法定相続権 あり なし(死別時は相続不可)
離婚後3,000万円特別控除 適用可能 原則適用外(税務上の注意点)

財産分与の対象となる財産・対象外となる「特有財産」

財産分与を行うにあたっては、「分け合うべき財産」と「分与の対象外となる財産」を正確に区別する必要があります。
  • 分与対象となる財産(共有財産)
    • 同居中に購入したマイホーム・土地などの不動産
    • 同居中に貯めた預貯金や株式などの有価証券
    • 同居中に積み立てた退職金や生命保険の解約返戻金
    • 同居生活に必要な家事調度品や自動車
  • 分与対象外となる財産(特有財産)
    • 事実婚を開始する前に各自が貯めていた預貯金や所有していた不動産
    • 同居中であっても、各自の親兄弟から相続・贈与で取得した不動産や金銭
    • 衣服や個人的な趣味の品など専ら一方が使用する動産
【弁護士 中村誠志の視点】
法律上の権利が認められることと、スムーズに分与できることは別問題です。まずは「共有財産」の範囲を正しく把握することが第一歩となります。

権利の存在が確認できたら、次は相手から「事実婚ではない」と拒絶された場合の対抗策(証拠集め)を確認しましょう。

相手に拒絶させない!事実婚(内縁関係)を立証する「強い証拠」と集め方

不動産の財産分与を求める際、相手が「単なる同棲だ」と事実婚を否定してきた場合でも、客観的な証拠があれば主張を通すことができます。

とはいえ、この立証が難しいのが正直なところです。

中村法律事務所で扱ってきた500件以上の離婚・男女問題相談の実績においても、相手方が「戸籍が入っていないのだから分与する義務はない」と開き直るケースは少なくありません。しかし、婚姻意思と同居実績を示す証拠を提示することで、相手の拒絶を退けて適正な財産分与交渉へ引き込むことが可能です。

どのような書類や情報が強い立証効果を持つのか、具体的な証拠リストを整理します。

事実婚の成立要件(共同生活の実態と婚姻意思)

法律上、単なる同棲と「事実婚(内縁)」を分ける要素は、以下の2つの成立要件を満たしているかどうかです。
  1. 主観的要件(婚姻意思の存在):互いに社会通念上「夫婦」として共同生活を送る意思が存在すること。
  2. 客観的要件(共同生活の実態):一定期間以上、同居して夫婦同様の共同生活を継続している実態があること(一般的には3年程度以上の同居が目安ですが、実態に応じ総合判断されます)。

立証で最も強い効果を発揮する証拠リスト(住民票・契約書など)

相手に事実婚関係を否定された場合、以下のような書類・データが客観的証拠として大きな効果を発揮します。手元にあるものをチェックしてみましょう。

重要度 証拠の種類 具体例・内容
★★★(極めて強力) 住民票の記載 続柄欄に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されているもの
★★★(極めて強力) 公的・契約書類 賃貸契約書や不動産売買契約書に「内縁の配偶者」「同居人(妻)」として記載
★★☆(強力) 健康保険・年金 健康保険の被扶養者認定記録、遺族年金の受給手続関係書類
★★☆(強力) 家計の一体性 連名口座の履歴、家族カードの発行・利用履歴、生活費の定期振込
★☆☆(補強証拠) 親族・社会的認知 式挙行の写真、年賀状・親族の冠婚葬祭への出席、LINEなどの日常会話記録
【弁護士 中村誠志の視点】
住民票の「未届」記載がない場合でも、家計の一体性や不動産購入時のやり取りを示す履歴を組み合わせることで立証は十分可能です。
証拠の整理ができたら、最もトラブルになりやすい「不動産・住宅ローン」の具体的な清算フローに進みます。

【不動産・住宅ローンがある場合】事実婚解消時の名義清算とローンの扱い

事実婚解消における最大の難関は、共同生活の拠点であった「マイホーム(不動産)」と「住宅ローン」の清算です。

不動産は現金のように単純に半分に割ることができません。さらに「名義がどちらになっているか」「ローンのアンダーローン/オーバーローン状態」によって取るべき手続きが大きく異なります。当事務所の財産分与解決事例でも、不動産の適正評価とローンの取り扱いをクリアにすることで早期解決に繋がったケースが多数あります。

具体的にどのような手順で不動産を分け合うべきか、パターン別の早見表と清算フローを見ていきましょう。

持ち家・土地の清算手順5ステップ(全5個)

不動産を財産分与する際は、以下の5つのステップを順番に進めていくのが最も安全です。
  1. ステップ1:不動産の査定(現在の市場評価額を出す)
    不動産会社複数社に机上査定・訪問査定を依頼し、現在の売却相場額を確認します。
  2. ステップ2:住宅ローン残高の確認
    ローン利用中の金融機関から「残高証明書」を発行してもらい、正確な債務額を把握します。
  3. ステップ3:名義関係の確認
    登記事項証明書を取得し、所有名義(単独名義か共有名義か)およびローンの債務者(単独・連帯債務・ペアローンなど)を確認します。
  4. ステップ4:売却または取得(代償金支払い)の選択
    不動産を第三者に売却して現金で分与するか、どちらか一方が住み続けて相手方に代償金を支払うかを決定します。
  5. ステップ5:名義変更および登記手続きの完了
    財産分与協議書(できれば公正証書)を作成し、所有権移転登記およびローンの名義変更・借り換えを行います。

アンダーローン(売却益が出る)場合の分け方と代償金

不動産の査定額が住宅ローンの残高を上回っている状態を「アンダーローン」と呼びます。この場合、不動産には実質的な資産価値が存在します。

売却する場合は、売却代金からローン残高・売却経費を差し引いた「利益(手残り金)」を2分の1ずつ分割します。

一方が家に住み続ける場合は、以下の計算式で割り出した「代償金」を、住み続ける側が出 ていく側に現金で支払うのが原則です。

代償金 =不動産査定額 – 住宅ローン残高
例えば、不動産評価額が3,000万円、ローン残高が2,000万円の場合、差額1,000万円の半分である「500万円」を代償金として相手に支払います。

オーバーローン(債務超過)場合の注意点と任意売却・借り換え

不動産の査定額より住宅ローンの残高の方が多い状態を「オーバーローン」と呼びます。

実務上、オーバーローンの不動産は資産価値がマイナス(負の財産)とみなされるため、原則として財産分与の対象外となります。相手に対して「ローンの赤字分を半分払え」と請求することは法的に原則できません。

所有形態 相手が住み続ける場合の手続き 売却する場合の手続き
単独名義・単独ローン 名義人がそのまま住み、ローンも完済まで一人で返済する。 通常売却は不可。自己資金を足して完済するか「任意売却」を行う。
共有名義・ペアローン 住む側へ単独名義化するため、ローンを単独で組み直す(借り換え)。 不動産を売却し、残ったローン赤字分をそれぞれの負担割合に応じて自己資金で補填する。

特にペアローンや連帯保証人になっている場合、単に協議離婚(解消)しただけでは保証人・返済義務から抜けることはできません。金融機関の承認を得て単独ローンへ「借り換え」を行うか、売却が必要となります。

不動産の名義変更手続きと司法書士連携の必要性

財産分与で不動産を一人に集約する場合、法務局で「財産分与を原因とする所有権移転登記」を行う必要があります。

当事者間の話し合いメモだけでは法的な名義変更は受理されません。財産分与協議書の作成や、既存の担保権・ローン契約の調整を含め、登記のプロフェッショナルである司法書士や不動産実務に強い弁護士との連携が不可欠です。
ご希望であれば協力関係にある司法書士さんにご紹介をさせて頂くことも可能ですので、遠慮なくお申し出ください。
「家や住宅ローンの分け方が分からない」「相手と冷静に話せない」とお困りではありませんか?
中村法律事務所では、不動産が絡む複雑な財産分与の初回ご相談を無料でお受けしています。500件以上の離婚・男女問題相談実績を持つ代表弁護士が直接対応し、解決への青写真(見通し)をご提示します。
不動産清算の手順を理解した上で、次に「パートナーとの死別」という特殊なリスクへの備えを確認しておきましょう。

【死別と離別の決定的差】パートナー死亡時に財産・家を守る生前対策と緊急対処法

事実婚において最も注意しなければならないのが、「生前の離別(協議解消)」と「死別(パートナーの死亡)」における法律上の権利の違いです。

離別の場合は前述の通り財産分与が認められますが、死別の場合は事実婚の配偶者に「相続権」も「財産分与請求権」も認められません。最高裁判所の判例でもこの法構造が明確に示されています。

突然の死別によって、長年暮らした家を亡くなったパートナーの法定相続人(親や兄弟)から追われてしまう悲劇を防ぐため、生前に講じるべき対策を解説します。

なぜ事実婚では「死別時の財産分与」が認められないのか?(最高裁判例)

離別の場合は民法の財産分与規定が準用されますが、死別の場合は民法上の「相続」の規定が優先されます。

日本の民法上、相続権を持つのは「戸籍上の配偶者」と「血族相続人(子・親・兄弟等)」のみです。判例(最高裁判所決定)では、「死別による内縁解消時には財産分与規定を準用することはできない」と判示されています。

そのため、何の対策も取っていないと、パートナー名義の家や預貯金はすべてパートナーの血族相続人に渡り、残された事実婚の妻・夫は財産を一切引き継げない事態に陥ります。

生前に必ず行うべき「3つの遺産防衛策」(遺言書・死後事務委任・尊厳死宣言)

生前にパートナーと協力して以下の対策を講じておくことで、死別後も住まいや財産を守ることが可能です。
  • 対策1:公正証書遺言の作成(最重要)
    「すべての不動産および財産を〇〇(事実婚の配偶者)に遺贈する」旨の遺言書を公証役場で作成します。遺言書があれば、法定相続人よりも優先して財産を遺贈できます。
  • 対策2:死後事務委任契約の締結
    遺体の引き取り、葬儀・供養の手配、賃貸契約や公共料金の解約手続きなどを任せる契約をあらかじめ結んでおきます。
  • 対策3:特別寄与・遺贈および尊厳死宣言の準備
    パートナーの医療行為に関する意向表明(尊厳死宣言)や、生前の看病・介護に対する「特別寄与」の主張ができる準備を整えておきます。

突然の死別で家を追われないための「特別縁故者」制度と応急処置

生前対策がないままパートナーが亡くなってしまった場合でも、諦めてすぐに家を出る必要はありません。
  1. 特別縁故者の主張(相続人が不在の場合)
    亡くなったパートナーに法定相続人が一人もいない場合、家庭裁判所に「特別縁故者に対する財産分与」を申し立てることで、家や遺産を取得できる可能性があります。
  2. 居住保護法理の主張
    パートナー名義の家であっても、無償で同居していた実態がある場合、相続人からの即時退去要求に対して使用貸借関係の成立などを理由に一定期間の立ち退き猶予を主張できるケースがあります。
当事務所の相続早期解決事例でも、生前対策や見通しの提示により感情的対立を避け早期解決に至ったケースがございます。
死別リスクや複雑な不動産清算は、当事者同士での解決が極めて困難です。プロに頼むべきかどうかの判断基準を見ていきましょう。

自分だけで進めるのは危険?事実婚の不動産分与で弁護士に頼むべき判断基準

不動産が絡む事実婚の財産分与は、当事者だけで話し合おうとすると複雑な法的手続きや相手の感情的反発により難航するケースが大半です。

ここでは、自力解決の限界とリスクを整理し、どのような状態になれば弁護士へ相談すべきかの判断基準を提示します。

自力交渉で発生しやすい3つの致命的トラブル

専門知識を持たずに当事者同士で話し合いを進めた場合、以下のようなトラブルに陥るリスクが高くなります。
  • トラブル1:不動産価値を不当に低く買い叩かれる
    相手方から都合の良い低い査定額を提示され、適正な代償金の半分も受け取れずに合意させられてしまう。
  • トラブル2:住宅ローンの連帯保証人・ペアローンから抜け出せない
    離婚(解消)合意書だけを作って名義変更を行った気になり、相手がローン滞納を起こして突然銀行から一括返済を迫られる。
  • トラブル3:「事実婚ではない」と一蹴され泣き寝入りする
    相手から「ただの同棲だった」「出て行け」と強く拒絶され、法的な主張ができないまま一方的に家を追い出される。

「自分で対応すべきか・弁護士に依頼すべきか」の判断チェックシート

以下のチェックリストで、ご自身の状況に当てはまるものを確認してみましょう。
  • 分与対象となる財産の中に「持ち家・土地・マンション」が含まれている
  • 住宅ローン(ペアローン・連帯保証を含む)が残っている
  • 相手が「事実婚(内縁関係)」そのものを否定している、または話し合いを拒否している
  • 当事者同士で冷静に会話ができず、感情的な対立が激しい
【判定基準】
チェックが1つでも当てはまる場合は、当事者間での自力解決は危険です。早期に弁護士へご相談いただくことを強く推奨いたします。

中村法律事務所が選ばれる理由(直接対応・見通しの明示・他士業連携)

中村法律事務所では、一般消費者(個人)の皆様が安心してご相談いただける環境を整えております。
  • 代表弁護士による直接対応
    離婚・男女問題の相談実績500件以上、相続相談約100件の実績を持つ代表弁護士(中村誠志)が、最初の面談から完了まで直接対応します。事務員任せにすることはございません。
  • 最初の面談で「見通し(青写真)」を明示
    現在の証拠や不動産の状態から、どのくらいの財産分与が見込めるかの方針・見通しを明確にお伝えします。
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    不動産の査定から名義変更登記、借り換え・売却、税金計算まで、提携する専門家と一括してスムーズに対応します。
  • 初回相談無料・プライバシーに配慮した相談空間
    初回相談は無料でお受けしております。プライバシーに配慮した相談エリアで、リラックスしてお悩みをお話しいただけます。
弁護士に依頼する場合の具体的な手続きの流れと「5年の時効」の注意点を見ていきましょう。

事実婚の財産分与を進める手続きの流れと「5年の請求期限」対策

事実婚解消に伴う財産分与の手続きは、どのようなステップで進むのか、全体像(タイムライン)を押さえておくことが大切です。

また、法律改正により財産分与請求権には明確な「タイムリミット」が設けられています。期限切れで請求権を失わないための防衛策を解説します。

協議(話し合い)から「内縁関係調整調停」・審判へのステップ

話し合いから解決までのロードマップは以下の通りです。

【ステップ1:当事者間の協議(話し合い)】
  └─ 不動産の査定、財産目録の作成、証拠の提示を行い交渉
      │
      ├─【合意成立】──>「財産分与協議書(公正証書)」を作成し清算完了
      │
      └─【話し合い決裂・拒絶】
          ↓
【ステップ2:家庭裁判所への「内縁関係調整調停」の申立て】
  └─ 調停委員を間に挟み、裁判所(家事調停)で話し合いを実施(期間目安:半年の〜1年)
      │
      ├─【調停成立】──>「調停調書」に基づき名義変更・清算
      │
      └─【調停不成立】
          ↓
【ステップ3:審判手続きへの移行】
  └─ 裁判官が提出された資料・事情を考慮し、相当な財産分与の内容を決定(審判)

 

知っておくべき「5年の請求期限(消滅時効)」と引き延ばし対策

民法改正に伴い、事実婚解消による財産分与請求権は「事実婚を解消した時から5年」を経過すると時効により消滅します(民法768条2項類推適用)。

相手方が「今は忙しい」「査定が出たら連絡する」などと言って話し合いを引き延ばし、5年の時効完成を狙ってくるケースは少なくありません。

  • 引き延ばしへの対策
    時効が迫っている場合は、直ちに家庭裁判所へ「内縁関係調整調停(または財産分与に関する調停)」を申し立てる必要があります。調停を申し立てることで、時効の完成を猶予(一時ストップ)させることができます。
最後に、不動産分与に伴う「税金」の疑問を整理しておきましょう。

事実婚解消における税金トラブル(贈与税・不動産取得税)を防ぐポイント

不動産やまとまった金銭を分与された際、「贈与税などの税金が課せられるのではないか」と心配される方が多くいらっしゃいます。
税務上のルールと、事実婚特有の注意点をあらかじめ把握しておきましょう。

原則「贈与税」は非課税だが過剰な分与には課税される?

財産分与として取得した金銭や不動産は、原則として贈与税はかかりません。財産分与は「もともと共有していた財産の清算」であるため、贈与には当たらないと扱われるためです。

ただし、以下の2つのケースでは例外的に贈与税(みなし贈与)が課税されるおそれがあります。

  1. 分与された財産額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た額やその他の事情を考慮しても「多すぎる」と税務署に判断された場合(過剰部分に課税)
  2. 離婚・解消が「贈与税や相続税の脱税目的」で行われたと認定された場合
常識的な範囲(原則2分の1程度)での不動産分与であれば過度に恐れる必要はありません。

不動産取得税・譲渡所得税がかかるケースと節税対策

不動産を財産分与する際、受け取る側(取得者)とあげる側(分与者)の双正常に発生し得る税金は以下の通りです。

税金の種類 課税対象者 事実婚における取り扱いと注意点
不動産取得税 不動産を受け取る側 清算的財産分与であれば原則非課税。ただし実務上の要件確認が必要。
譲渡所得税 不動産をあげる側 譲渡時の含み益に対して課税。法律婚の「居住用財産の3,000万円特別控除(民法上の特例)」は事実婚には適用不可
登録免許税 名義変更(登記)を行う側 所有権移転登記時に固定資産税評価額の1,000分の20(2%)が課税される。
事実婚の場合、法律婚に認められている一部の税制上の特例措置が使えないケースがあります。当事務所では他士業(税理士等)と連携し、事前に税務リスクを検証した上で最適な清算プランをご提案いたします。

事実婚(内縁)の不動産財産分与に関するよくある質問(FAQ)

Q1:相手が住宅ローンの連帯保証人から外れてくれない時はどうすればいいですか?

A:金融機関への借り換え交渉を行うか、不動産を売却してローンを全額返済するのが基本的な解決策です。

当事者同士の合意だけでは、銀行(債権者)との連帯保証契約を解除することはできません。新しいローン会社へ単独名義で借り換えを行うか、不動産自体を売却してローンを完済することで連帯保証関係を解消します。

Q2:事実婚の期間が短くても不動産の財産分与は請求できますか?

A:同居期間が短くても、その期間中に共同で形成した財産であれば請求可能です。

例えば同居期間が2年であっても、その期間中に二人で購入した不動産や貯めた頭金、返済に協力した実績があれば、その寄与度に応じた割合(原則2分の1)で財産分与を請求することができます。

Q3:相手が話を聞かず一方的に家を追い出されそうな場合の緊急対処は?

A:正当な理由なく家から追い出す行為は違法となり得るため、速やかに弁護士へご相談ください。

同居実態がある以上、一方的な追い出しに対しては占有権に基づく主張や、家庭裁判所への保全処分(審判前の保全処分等)の申立てを検討します。弁護士を通じて「即時協議」を求める通知書を送ることで、相手の強硬姿勢を抑止します。

Q4:弁護士費用の相場と、着手金・報酬金の考え方を教えてください。

A:財産分与の請求額や獲得できた経済的利益に応じて決定されます。

一般的な離婚・男女問題の着手金相場は30万円〜50万円程度、報酬金は得られた経済的利益の10%〜20%程度です。中村法律事務所では、初回相談時に明確な見積もりをご提示し、納得いただいてから受任いたしますのでご安心ください。
この記事の監修者

代表弁護士 中村 誠志弁護士 (兵庫県弁護士会所属)

NAKAMURA SEIJI

離婚問題は、人生の大きな決断を伴うため、ご不安や戸惑いを抱える方が多くいらっしゃいます。私はそのような方に、「これからどう進むのが最善か」を、できるだけわかりやすくお伝えすることを大切にしています。

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