不倫の示談書とは?|テンプレート付きで解説
慰謝料この記事の結論(1分で要約)
対象: 不倫・浮気の示談書(合意書)の書き方や文例を知りたい方、相手の署名拒否や未払いを防ぎたい方 結論: 自作は危険。重要8条項と状況別テンプレートでスキのない作成を 理由: ネットの定型文流用や自作では「求償権」や「清算条項」の不備で後から泥沼化しやすく、私的示談書だけでは給料の差し押さえができないから 解決策: 以下の「3つのステップ」を実行すれば解決します。
ステップ1: 状況に合ったテンプレートを選び「8つの重要条項」を漏れなく網羅する ステップ2: 支払いが不安な場合は「強制執行認諾条項付きの公正証書」を作成する ステップ3: 相手が署名を拒否・無視する場合は、弁護士による直接交渉(初回無料相談)を活用する
不倫(不貞行為)のトラブルを後腐れなく解決するには、法的に有効な示談書の取り交わすが不可欠です。しかし、インターネット上の標準的なテンプレートをそのまま流用したり自作したりすると、重要な条項が抜け落ち「後から無効を主張される」「慰謝料が未払いになる」といった深刻なトラブルに発展しかねません。
本記事では、離婚相談500件以上(※中村弁護士の通算相談実績1,000件以上)の豊富な実績を誇る兵庫県弁護士会所属の弁護士(中村誠志)が、状況別の示談書テンプレートや記載すべき必須8条項、相手が署名を拒否した場合の対処法をわかりやすく解説します。
目次
不倫の示談書とは?合意書・誓約書との違いと法的効力
不倫問題における「示談書」とは、不貞行為の当事者間で「どのような条件で和解・解決するか」を合意し、その内容を法的な書面としてまとめた契約書の一種です。
不倫示談書の役割と作成する3つのメリット
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不貞事実の証明(証拠化): 相手が不倫の事実を認めたことを書面として残せます。
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慰謝料支払いの確約: 金額、支払期日、振込先を明記することで、確実な回収を目指せます。
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再発防止と関係断絶: 二度と接触しない誓約や、第三者への口外禁止を義務付けることができます。
示談書・誓約書・合意書・念書の違い一覧
| 書面の種類 | 作成者(署名者) | 主な法的効力・特徴 | おすすめの用途 |
| 示談書 | 当事者双方 | 双方が合意した内容を証明する最高水準の契約書 | 不倫・離婚トラブルの完全解決 |
| 合意書 | 当事者双方 | 実質的に示談書と同じ効力を持つ | 示談書という名称を避けたい場合 |
| 誓約書 | 差し入れる側(加害者等) | 加害者が「今後不倫しません」と一方的に誓う | 早期の接触禁止の約束 |
| 念書 | 差し入れる側(加害者等) | 簡易的な念押し書面。証拠能力はやや低い | 覚書程度の取り交わし |
著者(弁護士:中村誠志)の視点示談書は単なる「約束のメモ」ではありません。法的な契約書としての役割を果たすため、双方の合意を客観的に示す形式で作成することが解決への第一歩となります。
【状況別】そのまま使える不倫示談書のテンプレート・記載例4選
【ケース1】離婚せず不倫相手のみに慰謝料請求する場合(標準型)
示談書
甲(請求者氏名)と乙(不倫相手氏名)は、以下のとおり示談を締結する。
第1条(不貞事実の承認)
乙は、甲の配偶者である丙(配偶者氏名)が既婚者であることを知りながら、令和〇年〇月頃から令和〇年〇月頃までの間、丙と不貞行為(肉体関係)に及んだことを認め、これにより甲に多大な精神的苦痛を与えたことを深く陳謝する。第2条(慰謝料の支払い)
1. 乙は甲に対し、前条の不貞行為に対する解決金(慰謝料)として、金〇〇万円の支払い義務があることを認める。
2. 乙は前項の金額を、令和〇年〇月〇日までに、甲が指定する以下の銀行口座に振り込んで支払う。振込手数料は乙の負担とする。
(振込先金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義)第3条(接触禁止)
乙は今後、理由の如何を問わず、丙と直接会うこと、電話、メール、LINE、SNS等による連絡を取ること、その他一切の接触をしてはならない。第4条(求償権の放棄)
乙は、第2条に基づき甲に支払う慰謝料に関し、丙に対する求償権(民法第719条に基づく不貞行為の連帯債務における自己の負担部分を超える弁済に基づく不当利得返還請求権等)を完全に放棄し、丙に対して一切の請求を行わない。第5条(口外禁止)
甲及び乙は、本示談の内容並びに本件不貞行為の事実について、正当な理由なく第三者に口外(SNS等への投稿を含む)してはならない。第6条(清算条項)
甲及び乙は、本示談書に定めるもののほか、甲と乙との間には、本件不貞行為に関して何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。本示談の成立を証するため、本書面2通を作成し、甲乙各自署名捺印の上、各1通を保有する。
令和〇年〇月〇日
甲(住所・氏名・印)
乙(住所・氏名・印)
【ケース2】不倫が原因で離婚する場合
示談書(抜粋)
第1条(不貞事実及び離婚)
乙は、甲の配偶者である丙と不貞行為に及び、その結果、甲と丙の婚姻関係を破綻せしめ離婚に至らせた事実を認め、反省の意を表する。第2条(慰謝料)
乙は甲に対し、不貞行為及び離婚に至らせた慰謝料として金〇〇万円を支払い、以下の通り指定口座に振り込む……(以下略)
【ケース3】ダブル不倫で双方慰謝料を請求しない場合(ゼロ和解)
示談書(抜粋)
第1条(不貞事実の相互確認)
甲及び乙は、相互の配偶者と不貞行為に及んだことを双方確認する。第2条(慰謝料の相互不請求)
甲及び乙は、本件不貞行為に関する損害賠償請求(慰謝料請求)について、相互に一切請求を行わない(金銭の受授を行わない)こととし、本件を円満に解決することを合意する。
【ケース4】慰謝料を分割払いに設定する場合
示談書(抜粋)
第2条(分割支払い)
1. 乙は甲に対し、金〇〇万円を、令和〇年〇月より毎月末日限り金〇万円ずつ〇回に分けて、甲の指定口座に振り込んで支払う。
2. 乙が前項の分割金の支払いを2回以上怠りかつその未払い額が〇万円に達したときは、乙は当然に期限の利益を失い、甲に対し残額を一括して直ちに支払わなければならない。
テンプレートはあくまで標準的なモデルです。実際の解決事例では、個別の生活状況や相手の態度に応じて条項の細部を変更する必要があります。
テンプレートをそのまま使うだけでは不十分です。次に、これらの文章に絶対組み込むべき重要条項のポイントを細かく確認します。
示談書で絶対に外してはいけない「8つの重要条項」と失敗しない書き方
| 条項名 | NGな書き方例 | OKな書き方例・解説 |
| 1. 不貞事実の承認 | 「不適切な関係があった」 | 「令和〇年〇月頃から〇月頃まで、〇〇ホテル等で複数回肉体関係(不貞行為)を持ったことを認める」 |
| 2. 慰謝料の額・期日 | 「慰謝料として100万円を後日支払う」 | 「慰謝料として100万円を、令和〇年〇月〇日までに指定口座へ振り込んで支払う。振込手数料は乙負担とする」 |
| 3. 期限の利益喪失 | (記載なし) | 「分割払いを2回怠った場合、残額を一括して直ちに支払う」 |
| 4. 接触禁止 | 「今後、会わないこと」 | 「直接面会、電話、メール、LINE、SNS、第三者を介した一切の接触を禁止する」 |
| 5. 求償権の放棄 | (記載なし) | 「甲に支払う慰謝料について、配偶者丙に対する求償権を完全に放棄する」 |
| 6. 口外禁止 | 「誰にも話さないこと」 | 「本件示談の内容及び不貞の事実について、正当な理由なく第三者(職場・SNS含む)に口外しない」 |
| 7. 違約金ペナルティ | 「約束を破ったら1000万円払う」 | 「接触禁止条項に違反した場合、違反1回につき〇〇万円の違約金を支払う(現実的な相場に設定)」 |
| 8. 清算条項 | (記載なし) | 「本示談書に定めるもののほか、当事者間に何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する」 |
不貞事実の特定・承認条項(日付・場所・回数の明確化)
慰謝料の金額・支払期日・支払方法(期限の利益喪失条項を含む)
接触禁止・誓約条項(二度と会わない・連絡しない)
求償権の放棄条項(離婚しない場合の最重要ポイント)
【求償権の落とし穴の構造】
(1)被害者甲が、不倫相手乙から慰謝料100万円を回収
(2)不倫相手乙が「配偶者丙も一緒にやったことだから半分50万円を出せ」と丙に請求(求償権)
(3)家計が同一の甲・丙夫婦から50万円が出ていく(実質50万円しか取れていない)
⇒ 「求償権放棄条項」を書いておけば、この(2)と(3)を完全に防ぐことができます。
口外禁止・秘密保持条項(職場やSNSへの暴露防止)
清算条項(「本件に関し他に債権債務がない」ことの確定)
著者(弁護士:中村誠志)の視点中村法律事務所での相談事例(離婚相談500件以上、相続相談約100件)でも、ご自身で作成された示談書に「求償権放棄」や「期限の利益喪失」が抜けており、後からトラブルになるケースが散見されます。条項の網羅性は極めて重要です。
「違約金ペナルティ(接触・口外禁止違反)」の相場と公序良俗違反のリスク
接触禁止違反・口外禁止違反の違約金相場(双方の合意が前提とするものですので相場という表現が適切か分かりませんが、以下で合意することが多いです)
| 違反内容 | 現実的な違約金相場 | 備考・注意点 |
| 接触禁止違反 | 1回につき 10万〜50万円 | 継続的な接触の場合、総額上限が設定されることもある |
| 口外禁止違反 | 1回または1投稿につき 10万〜50万円 | 拡散性や被害の程度により変動する |
高すぎる違約金は無効?公序良俗違反(民法90条)とされるライン
著者(弁護士:中村誠志)の視点感情的になって「何千万円」というペナルティを書きたくなるお気持ちは痛いほど分かります。しかし、法的に無効になってしまっては元も子もありません。適正な相場観の中で実効性を確保することが大切です。
自分で作る不倫示談書の「3つの限界」と後悔しないための判断基準
【限界1】後から「脅迫されて書かされた」「強要された」と撤回されるリスク
【限界2】私的示談書だけでは「未払い」になっても給料の差し押さえができない
自分でやる?プロに頼む?「弁護士依頼・相談の判断フロー」
| チェック項目 | 自作で進められるケース | 弁護士に依頼・相談すべきケース |
| 相手の態度 | 完全に反省し、提示額に即座に応じている | 拒否・無視している、反論してくる |
| 支払い方法 | 一括で即時支払われる | 分割払い、将来の未払いリスクがある |
| 関係性 | 双方とも既婚者ではない(ダブル不倫でない) | ダブル不倫、相手にも配偶者がいる |
| 手続形態 | シンプルな内容で当事者が納得 | 公正証書化したい、交渉を代行してほしい |
その示談書、後から「無効」と言われませんか?離婚・男女問題の相談実績1,000件以上。弁護士(中村誠志)があなたの示談書チェックや相手との交渉を直接サポートします。当事務所はご相談時に丁寧な説明ノートをお渡しし、明確な方針をご提示します。【初回相談無料 / 土日夜間・オンライン Teams 相談対応】
相手が示談書への「署名・押印」を拒否・無視したときの3つの対処法
【署名拒否・無視されたときの解決タイムライン】
[ステップ1]条件の再交渉(分割払い等の提示)
↓ (応じない場合)
[ステップ2]内容証明郵便の送付(期限付き催告)
↓ (無視された場合)
[ステップ3]弁護士連名による直接交渉・調停/訴訟
【ステップ1】感情的にならず「条件の再交渉(分割払い等)」を提示する
【ステップ2】内容証明郵便を送付して期限付きで回答を求める
【ステップ3】弁護士名を連名にして交渉・調停/訴訟へ移行する
著者(弁護士:中村誠志)の視点当事務所では事務員任せにせず、弁護士が直接相手方との交渉にあたります。交渉方針を明確にし、見通しをお伝えした上で手続きを進めるため、相手が拒否している段階でも安心してお任せいただけます。
私的示談書 vs 公正証書の違い比較|未払いを可能な限り防ぐための手続きと費用
| 比較項目 | 当事者間の「私的示談書」 | 公証役場でつくる「公正証書」 |
| 作成場所 | 自宅や喫茶店等、任意 | 公証役場(公証人が作成) |
| 作成費用 | 無料(紙代・印紙代のみ) | 1万〜3万円程度(目的価額による) |
| 未払い時の効力 | 直接差し押さえは不可(裁判が必要) | 裁判なしで給料・預貯金を直ちに差し押さえ可能 |
| 作成にかかる期間 | 即日〜数日 | 約2週間〜1ヶ月程度 |
| おすすめな人 | 一括払いで即時回収できる場合 | 分割払い、未払いリスクが高い場合 |
公正証書(強制執行認諾条項付き)にする最大のメリット
公正証書の作成費用・期間と公証役場での手続きの流れ
著者(弁護士:中村誠志)の視点分割払いの合意をする際、公正証書にしないことは非常に大きなリスクを伴います。回収の確実性を高めるための重要な選択肢としてご検討ください。
不倫の示談書に関するよくある質問(FAQ)
Q. 不倫の示談書は手書きやWord印刷でも有効ですか?
A. 手書き・Word印刷のいずれでも法律上有効です。
Q. 示談書に収入印紙は貼る必要がありますか?
A. 原則として収入印紙を貼る必要はありません(非課税)。
Q. 一度取り交わした示談書を後から撤回・変更できますか?
A. 原則として一度成立した示談の撤回・変更はできません。
Q. 相手が未成年や学生の場合、親に示談書へ署名してもらう必要がありますか?
A. 相手が未成年の場合は、親権者(保護者)の同意または連帯保証が必要です。
Q. 示談書を結んだ後に相手が約束を破って未払いになったらどうすればいいですか?
A. 公正証書がある場合は直ちに差し押さえ、私的示談書の場合は履行催告・裁判手続きを行います。
トラブルやお悩みを抱えている方へ(中村法律事務所からのご案内)
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離婚問題は、人生の大きな決断を伴うため、ご不安や戸惑いを抱える方が多くいらっしゃいます。私はそのような方に、「これからどう進むのが最善か」を、できるだけわかりやすくお伝えすることを大切にしています。
大切にしている3つの方針
● 誠実なアドバイス
無理にご依頼を勧めることはありません。法律的にご自身で進められる場合は、率直にお伝えします。
● 早期解決へのこだわり
「別居何年」などの一般的なイメージにとらわれず、実務と裁判例に基づき、できるだけ早く負担を減らせる道筋をご提案します。
● 一歩踏み込んだ対応
複雑な養育費や離婚条件の交渉など、難しい案件でも丁寧に向き合い、ご負担を軽くできるよう努めています。
離婚についてお悩みの方は、どうかお一人で抱え込まれず、まずはお気軽にご相談ください。
新しい生活へ踏み出すためのお手伝いができれば幸いです。