浮気・不貞で慰謝料を請求するには?証拠がなくてもできる?【完全ガイド】 |神戸で離婚・不貞の慰謝料請求の弁護士相談【中村法律事務所】

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浮気・不貞で慰謝料を請求するには?証拠がなくてもできる?【完全ガイド】

目次

はじめに

配偶者の浮気が疑われるけど、証拠がない……」「慰謝料を請求したいが、どうすればよいか分からない」

 

そんな悩みを抱えていませんか?

 

結論から言うと、証拠がなくても慰謝料請求は可能です。ただし、証拠がある方が圧倒的に有利であり、請求額や解決スピードに大きく影響します。

 

この記事では、弁護士の視点から以下を解説します:

 

・不貞行為の定義

・証拠の必要性

・有効な証拠の種類と強さ

・証拠がない場合の対応策

・請求の進め方と弁護士に相談するメリット

不貞(浮気)行為とは

一般的に、既婚者が配偶者以外の人と自由な意思で性的関係を持つことを指します。そして不貞行為は民法上の不法行為とされ、貞操義務違反として慰謝料請求や離婚の原因となり得ます。一般的に言われる不倫・浮気もこの意味で使われることが多いと思いますので、その認識でご確認頂けますと幸いです。

浮気・不貞に基づく慰謝料請求に証拠は必要か

証拠がなくても請求は可能

不貞に基づく慰謝料請求に限った話ではありませんが、相手方への請求をするにあたり必ずしも証拠が必要という訳ではありません。

まず、前提として、裁判になった場合もしくはそれを見据えた上で対応を検討することになります。

裁判をはじめとする法実務家の事実認定という前提で確認すると、はじめに当事者間で争いのない部分を整理することになります。例えば、本件について言うと、不貞行為の事実関係(具体的いうと、令和●年●月●日における性交渉といったものです)に争いがなければその事実については、前提として、事実認定されることになります。そういう進行ですので、相手方も事実関係について争いがなければ証拠は不要になります。

ただし、証拠がある方が圧倒的に有利

上記の審理、事実認定の方法を前提にすると相手方が認めている限り、証拠は不要です。裏を返せば、相手方が認めない場合には、証拠がないと事実認定として、不貞行為がなされない可能性があります。

また、当初認めていた場合が後から翻意することなども考えられますので、その言った意味では、証拠の存在が重要になります。

裁判所は、双方で争いのある事実関係を認定することになるのですが、その際には証拠の内容等を踏まえて、裁判所が判断することになります。

浮気・不貞の証拠として扱われるもの

先に挙げた定義のとおり、性交渉があったと経験則上推認できるものです。具体的な証拠は以下でご説明しますが、よく言われるものとしては、性交渉自体を自認するもの、性交渉があったことを示すやりとりや個室での一定時間の滞在であると言われております。

浮気・不貞の証拠の証拠例と強さ

個室での一定空間(ラブホテル・自宅等)の滞在が分かる写真・動画

個室への入退室(出入り)が分かる写真(よく言われるものとしては、入室時のものと退室時のものがあればなおよいと言われております)、動画が分かりやすい証拠です。

この証拠は、これから個室空間での一定期間での滞在を推認することができます。そこから、男女での一定期間での滞在があるのであれば、通常性交渉に及ぶという経験則を利用して、不貞行為を推認することになります。

また、入退室については、カメラやビデオ等の時刻表示を用いて立証することが多いです。

LINE、メール、SMSでのやり取り

ここは内容によりますが、やり取りから性交渉をしていなければなされないようなものがあれば、これをもって不貞行為の認定をとれることが少なくないです。かなりやり取りは千差万別ですが、例えば宿泊後の感想から性交渉を推認されるといった形のものもあれば、他方で、性交渉そのもののやり取りや実際の様子のやり取りがあればそれそのものから性交渉を推認させるということになります。

しっかりと推認させる程度のやり取りであるのかといった点は、一度弁護士に相談されることをお勧めします。

不倫関係を自白する書面、やり取りの録音

相手方との事実関係を認める書面、会話の録音等がこの代表例です。通常、自分の不利なものは虚偽事実であれば虚偽事実を述べる積極的動機がないので認めないという経験則がありますので、一般的に証拠能力が高いと言われております。

また、この関係でよく問題になるのは、配偶者が認めているものについて、不貞の証拠として足りるのかというものです。上記で挙げたような論理が該当するのかということになりますが、ここがかなり難しい問題です。例えば、自己の配偶者が婚姻継続の維持を図りたいために何らかの虚偽の供述をする動機ということもあり、必ずしも証拠能力が高いということは言えません。もっとも、不倫相手に請求する際には、自己の配偶者が認めていることを前提にすれば観念することもあり得ますので、そういった利用の方法もあり得ます。

不貞関係・やり取りを示す録音・録画

この点について、かなり生々しいですが、性交渉そのものの動画が証拠としてあることもそれほど少なくありません。これは、それ自体で性交渉そのものを示すものになり、証拠としては申し分ありません。ただ、物の性質上、どの段階で証拠として利用するかはかなり考える必要があります。その他、性交渉後のやり取りを示すものであったりの録音もこれから性交渉を推認できることになります。

宿泊施設の領収書・明細

宿泊している事実を示すことができれば、不貞行為を推認できるのは前述のとおりですが、宿泊の領収書でその人数及び内容で2人の宿泊(男女で)というものの記載があるか否かが重要になってきます。

ドライブレコーダー録画

内容自体は、結局やり取りを示す録音・録画ということになるのですが、車の中で不貞行為を示すようなやり取りをする可能性が少なくありません。推認過程(不貞行為があったとみなされる認定方法)は基本的に、上記録音・録画と変わらないのですが、ドライブレコーダーが証拠として用いられることが多いのでここで挙げさせて頂きました。

カーナビの履歴

カーナビの性質上、設定して移動したものが履歴として残ります。もっとも、実際にホテルであったりの宿泊施設に入ったかはこれだけで直ちに立証できません。ただ、実際にカーナビに設定して、移動して入らなかったということが通常考えにくいという経験則を用いることで結局立証できることが多いと思われます。そういった意味では、この点も立証の上で重要な証拠ということになるかと思います。

探偵の調査報告書

浮気調査というとまずこれを思い浮かべる方が多いのかもしれませんが、これがないと進められないという訳でもありませんので証拠収集手段の一つと考えて頂けますと幸いです。探偵からの調査報告書であるから直ちに不貞を認定をするという考えを裁判所が持っているわけではありません。現実的なところで言うと、上で述べた不貞行為を推認する写真といった印象を持って頂ければと思います。探偵会社が作成した報告書の記載が重要というより、写真と関連する記載があれば参照する可能性が高いといったご認識で頂けますと幸いです。

まとめ

証拠の種類 強さ 補足
性交渉の録画・録音 ★★★★★ 決定的証拠。ただし取り扱いに注意
ラブホテル等の出入り写真・動画の撮影 ★★★★☆ 時系列が分かる入退室の記録が有効
LINE・メールのやり取り ★★★☆☆ 「宿泊後の会話」など推認できる内容がポイント
不倫関係を認める書面・録音 ★★★★☆ 自認は証拠能力が高い
宿泊施設の領収書・明細 ★★★☆☆ 2人で宿泊と分かれば有効
探偵の調査報告書 ★★★☆☆ 写真など裏付けとセットで有効
カーナビ履歴・ドライブレコーダー ★★☆☆☆ 単体では弱いが補強証拠になる

 

 

証拠収集の際の注意点

費用を掛け過ぎないようにして下さい

例えば、かなり長期かつ遠方の調査でいわゆる不貞行為に基づく損害賠償請求の相場より費用を掛けてしまうと何のための調査なのかということにもなりません。また、携帯電話の復元に費用を掛けたり反訳に多額の費用を掛ける方もいらっしゃいますが、本当にその証拠がないと進められないのかよく考える必要があります。証拠収集に費用を掛ける前に一度弁護士に現在この程度の証拠があるが費用を掛けて調査を続ける必要があるかしっかり確認されることを強くお勧めします。

収集手段について注意する必要があります

せっかく収集した証拠が「違法」と評価されてしまうとみなさまの苦労が水泡に帰す恐れさえあります。したがって、「違法」とされないように収集することが必要です。特に気をつけないといけないのは、強引な合意書作成等です。作成経緯について、後から主張されないようにしっかりと記録化しておくことをお勧めします。

集めた不倫証拠の有効な利用を考えて下さい

どう使うかによって取得できる金額が変わります

せっかく証拠を取得しても、その使い方が良くなければよくも悪くも相応の金額にしかなりません。取得された証拠ですから最大限有効利用されることを強くお勧めします。

証拠は有効に利用して下さい

例えば、不貞行為の場合でも全ての不貞行為の証拠が取れることはほとんどありません。ですので、把握している時点を基にこちらの主張を整理して、少なくともこれぐらいの回数、期間はあるのではといった整理が必要になります。こういった整理をすることで、相手方との主張整理の中で、期間・回数についてご自身が証拠収集していた以上のものを把握できることに繋がる可能性が高いです。

これはあくまで一例ですので、せっかく収集した証拠を有効に利用する方法を考えられることを強くお勧めします。

証拠があれば、かなり有利に進められますので、具体的請求の流れ等を十分考えることが必要です。

請求を決められた段階でまず弁護士への相談を強くお勧めします

当該事案における必要な証拠の確保を確認できる

昨今無料相談をやっている事務所は少なくないかと思います。例えば、この事案で現在この証拠があるのですが、といった話があればその前提で何が必要か弁護士に確認しながら行うことができるのでかなり心理的に負担は少ないと思います。私もこの類のご相談を頂くことが多いのですが、用意して頂く証拠をお伝えした際にこれでいいのですかと驚かれることも少なくないので、一度確認されることを強くお勧めします。

無駄な費用が掛かることを防ぐことができる

言い換えると、証拠が足りているのにまだ証拠を取ろうとされている方は少なくありません。私の過去の経験で、一度探偵の調査で証拠を押さえた後に継続性の観点から再度探偵に依頼した方が良いですか。と確認されたこともあります。確かに、慰謝料に多少影響する面もありますが、それ以上に探偵の調査費用が掛かってくるので個人的にはお勧めしません。といったことを確認する上で弁護士との相談を利用されることをお勧めします。

どう使うかについて相談できる

例えば、協議の段階で使うべき証拠や状況、訴訟の段階で使うべき証拠やその状況といった具合にケースバイケースです。

極論事実関係を当初認めていたという事情があるのであれば、できるだけ早いタイミングでその事実をしっかり示して、認めている前提で交渉を進める方が早期解決に資すると個人的に考えております。そういった点でも弁護士に相談するメリットはあるかと思います。

手続選択について有用なアドバイスがもらえる

かなり強い証拠を持っている中でいわゆる相場より低い金額を提示されているのであれば、早期に訴訟に移行した方が良いかと思いますし、他方でほとんど証拠がなく事実関係が争われているのであれば、協議の段階で調整する方が得策という面もあると思われます。前者については、早期解決及び適正金額の取得の兼ね合いからすればその進行が良いと思われますし、後者については、不貞行為の事実認定が取れないというリスクを避けるために合意するということは十分選択肢に入れる必要があります。

そう言った具体的なアドバイスを受けながら進めるという点でご相談の活用は有用かと思います。

よくある質問

探偵による調査は必ず必要ですか

必ずではありません。

他の証拠で不貞行為を認定できるのであれば不要ですし、費用との兼ね合いで考えるべきです。過去の経験からこの調査に頼らざるを得ない場合もありますが、多くの弁護士が、その際もこういう方法でご依頼はどうですかといったお話もできるかと思いますので弁護士への相談をお勧めします。

証拠がなくて請求する場合はありますか

あります。

リスクの面はありますが、一定の割合について証拠のない中請求して相手方が事実関係を認めることで金銭の支払いを受けております。

どのような証拠を基に請求することが多いですか

特に多いのが他方配偶者とのやりとりのLINE、メール、SMS等の内容です。他方配偶者がある程度把握され、諦めて内容を話すことが少なくないようです。その他、探偵の調査も含めて、写真等といったイメージです。それ以外の証拠も場合によってあるといったイメージです。

解決事例

受任前

ご依頼に来られた際、証拠はないが何とか請求したいというものでした。配偶者の様子を確認すると、不貞行為については明確にせず別れたいというのみで、配偶者からの聞き取りを前提に進めることも厳しいといった状況でした。

受任後

もっとも、不貞相手から不貞行為の事実は確認出ませんでしたが、不貞相手を確認でき(ご本人が分かれた後誰と一緒になりたいのか等と確認したようです)、その相手にご本人が配偶者の様子がおかしくなった点を起算点に請求をしましょうといった話で進めました。これについて、証拠がない点をリスクになる旨はご本人とすり合わせをして進めました。なお、相手方とは面識がない状況でしたので出たとこ勝負の緊張する状況でした。

解決に向けて

実際請求してみると(書面で請求しました)、事実関係について時期的な問題で相手方の認識とすこしずれがある旨の連絡を受けましたが概ねこちらの主張を認める者でした。その上で、相手方より謝罪があり、資力の関係で分割での支払いたい旨の希望がありました。この点についてもご本人と話をし、確実な支払い確保の点での対策として、支払い義務を多めに記載し、しっかりと支払うことで多めの金額は免除するとの方向で協議し、結局200万円で調整することができました。これについては、仮に争われると少ししんどい状況になった可能性もある中、受任から1か月程度での解決で、依頼者さんとしてもすごいスッキリしたと言って頂いたのが印象に残っております。

まとめ

証拠がある方が良いですが、ないといって簡単にあきらめることはお勧めしません

相手方に争われると証拠がないとかなりしんどい戦いになる可能性があります。もっとも、そもそもご自身で足りないと思っている証拠で足りていることもありますし、種々の状況を踏まえて、一定の金銭での解決もあり得ます。

お手持ちの状況を踏まえて早期のご相談をお勧めします

ご自身で苦労して何かしら収集された状況の確認、これから集める上での確認(この段階での方が個人的には良いかと思います)等法律事務所へお問い合わせの上弁護士に相談もしくは依頼して進める方が良い結果に繋がる可能性が高いです。

まずお気軽にご相談をされることをお勧めします。

この記事の監修者

代表弁護士 中村 誠志弁護士 (兵庫県弁護士会所属)

NAKAMURA SEIJI

弁護士登録後、全国に支店のある事務所で4年程度勤務弁護士として執務しておりました。その際には、相続、慰謝料請求、離婚、監護権争い、労働審判、建築訴訟、不動産売買、消費貸借、契約に基づく代金支払い請求、交通事故、顧問先様の契約書チェックや日頃のご相談といった具合にそれこそ多種多様な事件に対応してきました。このような多種多様な事件の中で私が一貫して考えていたのは、対応方針、案件を進める方針に納得して依頼して頂くことでした。私自身、方針を明確に示さないこと、それに対して十分なご説明をせずご依頼頂くことはお客様にとって不誠実であると考えておりますので、その点に焦点を充てさせていただきます。また、方針の決定に際しては、お客様のご意向(金銭的補償に重点を置きたいのか、早期解決に重点を置きたいのか、違う部分に重点があるのか)が特に重要と考えておりますので、それについてご意向を反映させた方針を共有させて頂きたいと考えております。

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